秘密のkiss


午前の授業が終わり、昼休みになった。


「桜木!!」


美術室へ向かう途中、私を呼ぶ声が聞こえた。

振り向くと、また平井くんだった。


「どこ行くんだ?」


「美術室…」


「へえ。じゃあ、俺も行く。いいだろ?」

「えっ、」


「それとも、誰か一緒に飯食う約束してる子いんのか?美人?」

ニコニコ顔でそう聞く平井くんに、柊と食べているとは言えなかった。



美術室に入ると、まだ柊はいなかった。


暖かい日が差し込み、ふんわりとした空気を醸す美術室は、とても神秘的で、気持ちが安らぐ。


「へぇー。美術室ってこういう部屋なんだ。俺、ここ入るの初めてだわ」

ズカズカと入る平井くん。


「うん…」

「なんか、良いな」

瞳を閉じ、太陽を浴びる平井くんの横顔は綺麗だった。

そう言えば、彼も、柊と劣らず整った顔をしている…。