柊と別れると、私は、友達のいない教室に静かに入る。
ガヤガヤと賑やかな教室
机に鞄を置くと、はぁと誰も気づかないほどの小さな溜息を吐いた。
「あれっ?桜木じゃん!」
そんな中、緊張が抜けるぐらいの、馬鹿でかい声が聞こえてきた。
「平井くん…」
声の主は、平井仁(ジン)だった。彼は、二週間前にこの学校へ転入してきた。
長身で、長髪に、くっきりと焼けた肌で、女の子には皆声をかけるよなお調子者。
そんな私とは無縁な彼に、何故か、転入当初からやたらと声をかけられている。
「おはよ!なんだ?朝から暗い顔してんなぁ」
そう言いながら、大きな手で前髪をくしゃくしゃと撫ぜてくる平井くん。
「………。」
やっぱり平井くん女慣れしている…。
