秘密のkiss


さり気なく通り過ぎるつもりが、平井くんとばっちり視線が合ってしまった。


「あれー?桜木?」

「あっ」


ズンズン近づいてくる平井くん。
長袖のTシャツに、腰には、上着を捲きつけ、髪は私のあげたヘアゴムで束ねていた。
ちょっと、不良っぽい…。(というか不良?)


「一人で買いものか?」

「柊の試合があったから、その帰り…」


「へー、仲良いな。それよか、髪!髪型変えてんじゃん!」

「うん…」

「似合う、似合う♪」

そう笑顔で言う平井くん。


「……」

「何だよ、つれねー顔して。どうした?」


「…平井くん、休日まで女の人といるんだね。それに、あんな大人の人…」

躊躇いつつ言う私。


「あーさっきの…。おい、そんな汚いもん見るような目で見るなよ。あれはお客」



「お客さん…?」


もしかして、裏でホストでもやっているんじゃ…。


「そ!俺の母親がサロン経営しててさ、そこの常連さん。俺も小遣い稼ぎに、たまに接客手伝うわけ。だから、やましい関係はねーよ」

「あぁ!」

と妙に納得してしまう私。


だから、女性にも慣れた話し方なんだ。