秘密のkiss



午後の授業を終えた私は、すぐに美術室へ向かった。


「桜木、おっす」

美術室にはすでに眼鏡姿の部長がいた。

「こんにちは、」

と私も答える。



「さらちゃん、おはよう」

と皆一声くれながら、続々と美術部員が集う。


皆、それぞれ次のコンクールの絵を完成させるため、個々に準備を始めている。


私も描きかけの絵に取り組んだ。


絵は昔から、私の生きがいだ。
口下手な私が、言葉では表せないことも、絵だったら、自分の思いを表現できる気がして。


ふと視線を感じ見ると、部長がじっとこちらを見ていることに気づいた。
そんな部長と、バチっと目が合う。


「なにか…?」

「え、あっ。ご、ごめん。何でもないんだ。ただ、良い表情をしてるなと思って」


「え?」


「いや、その、絵を描いている時の桜木って、本当に嬉しそうに描いているもんだから」
顔を真っ赤にしながら部長はそう言う。


「………。」