今、
真奈は立ち止まったまま
でいる。


なかなか一歩を踏み出せずにいた。


夢の中の自分。


過去に背を向けたままの
自分。


1人になってから、
自分を甘やかし続けた。


居場所が無くなるのが恐いから。


でも、
いつかは向き合わないといけない。


「なんか今日天気悪いな」


優子が空を見ながら言った。

空を見上げると、
黒い雲が青空と太陽を隠している。


『雨降りそうやな』


洗濯物を入れて、
優子と2人でたたんでいた。


ーガチャ


玄関が開く音。


鍵を持ってるのは、あいつ1人だけ。


とうとうあいつが帰ってきた。


リビングのドアが開き、
あいつの顔が視界に入る。