大切なもの…〜cherry tree〜

 


見上げると左右に並ぶ沢山の桜の木。


花のない桜並木を見上げながら歩く。



真奈は桜の花が大好き。


家の前の公園にもあるけど、1本しかない。



最後の木に到着すると、
真奈はそのまま家の方へと歩いた。


帰りは何も考えず鼻歌を歌いながら、
軽いあしどりで。


家に着くと達也君が起きていた。


「鼻真っ赤」


いつものように、ケラケラ笑って言う。


真奈は、
いつも思ってる事を聞いてみた。


『達也君っていつも笑っとるな』


「おぅ!笑って楽しい人生をおくりたいからな」


意外な答えを聞いて、
真奈は再び考えた。


真奈も自分の描いた人生をおくりたい。


誰にも邪魔をされずに。