大切なもの…〜cherry tree〜

 



混乱した真奈は、
玄関を開け外へ出た。


家の前には小さな公園がある。


真奈が中にあるベンチに座ると、
真奈の後をつけてたケントは、真奈の横に座った。


『!?…ビックリした…』


いきなり現れたケントの姿を見て、
真奈は心臓が止まる程驚いた。


「寒くない?」


『大丈夫』


一言二言話すと沈黙。


黙り込む真奈を見て、
ケントが沈黙をやぶった。


「俺の願い事聞いてくれる?」


ケントは、
空を見ながら言った。


『真奈じゃないとあかん?』


質問を、質問で返すと


「真奈にしか出来ん事やから」


と、空を見たまま言った。