長い月日がたち、 季節は春を迎え、 真奈のお腹は大きくなっていた。 なかなか笑顔を見せない真奈に、 達也君は病院の敷地内にある、 小さな庭のような場所に連れて行った。 そこは、 緑一面の芝生の先に 沢山並んだ桜の木。 「また桜の季節がきたんやで」 桜を見て、 真奈は昔の出来事、 自分がしてた事、 優子の裏切り、 剛君の旅立ち。 忘れていたケントの笑顔。 ケントの温もり。