大切なもの…〜cherry tree〜

 


1時間後。


ケントの両親は、息を切らして部屋に入ってきた。


ケントに駆け寄る両親に、
真奈は


『すいませんでした…
真奈が…ケントの人生を終わりにしてしまったんです…』


深く頭を下げて謝り続けた。


狂ったように。


警察から事情を聞いていたケントの母親は、
真奈を優しく抱きしめて


「真奈ちゃんが悪いんじゃないよ。
これが運命なんやと思う」


ケントのように、
優しく頭を撫でながら。


運命…


そんなもの信じない。



運命なんて…


きっと変えられるはず。