真奈はケントに電話をして、
30分後に桜並木で待ち合わせをしようと伝えた。


「俺は、家で待っとくから!後で、どんな反応しとったか教えて」


『真奈の予想は、真奈ちゃん!とか言って、小さい子供みたいに抱き着いてくるんやろな』


真奈は、楽しそうに話しながら上着に袖を通して、
小さな鞄を手に持った。


「お腹冷やすなよ!!」


『うん!!行ってきまーす』


小さな鞄を大きく揺らし、
鼻歌を歌う。


そして、
真奈の顔には妊娠した喜びと、
ケントがどんな反応をするかという楽しみで、
明るい笑顔になっていた。


時々、スキップなんかもしながら。