大切なもの…〜cherry tree〜

 


時計からケントに目を向け、


『8時やん』


と言うと


「8時やな」


とケントが言った。


『起こしてよ!!』


「いや…起こす理由がないやん」


真奈はフライパンから手を離し、ソファに座った。


ケントはソファの後ろに立ち、


「真奈ちゃん」


機嫌良く言った後、抱きしめた。


「これうまい事書くな」


ケントは、
テーブルに置かれた日記を指差して言った。


『思った事っていうか、こうであってほしいから』


真奈の思いと願い。