大切なもの…〜cherry tree〜

 


真奈はキッチンに入り、
ケントが持ってたフライパンを取って
水につけた。


ジューッという音と共に、
勢いよく白い煙が立ち込める。


『これはなに?』


「玉子…かな?」


フライパンの中身を見ると、
真ん中に手の平くらいの大きさの
真っ黒い物が固まっていた。


『玉子焼いただけでこんなに煙たくならんやろ…』


真奈はケントが家にいるのはおかしいと思い、
時計を見ると
時間は、
午後8時になろうとしていた。