大切なもの…〜cherry tree〜

 


耳から離した携帯の画面は、
通話終了の文字と通話時間だけが表示されていた。


ーパタン…


携帯を閉じ、
テーブルに置くと
そのまま部屋を出た。


やる気が無くなった真奈は、
寝室のベットに倒れ込み、
目を閉じて眠った。




『…ん?』


寝室に焦げ臭い匂いが入り、
寝ていた真奈は
目を大きく開きベットの上に座って少し考えた。


窓を見るとカーテンは黒なので
外が明るいのか、
暗いのかはわからない。


ゆっくり立ち上がり、
寝室の外を確認するように
そっとドアを開けた。