大切なもの…〜cherry tree〜

 


先を歩く達也君の後をケントと並んで歩いていると、
急に達也君が止まって、座り込んだ。


真奈とケントは、
顔を見合わせ達也君のもとへ向かうと、
目の前に大きくて黒いものが地面を描いていた。


『なにこれ』


真奈は暗くてよく見えないので、
中腰になりゆっくり地面に顔を近づけていく。


「剛が旅立った場所」


達也君の言葉で真奈は動きを止め、
大きな模様をじっと見た。



これは…



剛君の血…