大切なもの…〜cherry tree〜

 


午後6時。


沢山の人の中、
真奈達も椅子に座り
お焼香をする順番がくるのを待つ。


剛君に会いに来た人は、若い女の子が多く、
みんな涙を流してるのに、真奈の目には涙が見えない。


列に並び、
一歩ずつ前に進んで
お焼香を済ませて席に戻った。


最後の挨拶も終わり、
真奈達は会場を出て家へ向かう。


最後まで真奈は涙を見せなかった。


まだ、
剛君が生きてると思い続けたいから。


また、
笑って「姐御」と言ってくれると信じてるから。