大切なもの…〜cherry tree〜

 


どれくらいの時間が経ったのだろう。


ふと我に返ると、
太ももは真っ赤になって腫れ上がっている。


涙を流すだけじゃなく、無意識に太ももを打ち続け、
右足だけじゃなく、
左足も腫れ上がっている。


素早く頭や体を洗い、浴室を出た。


リビングに戻ると、
ケントと達也君の視線は真奈に向けられた。


『なに?』


真奈がタオルを首にかけて言うと、
ケントが


「長かったな」


と言った。


時計を見ると、
リビングを出でから2時間30分も経っている。


真奈は自分の部屋へ行き、急いで髪の毛を乾かすと、
化粧をしてリビングへ向かった。