浴室に1歩入ると、 急に涙が流れ始めた。 シャワーを勢いよく頭から流し、 頬を流れる涙をお湯でごまかす。 浴室の空間は、 真奈の頭の中の言葉を消し去り、 あの事件を思い出させる。 真奈は、 正面の壁に手を付き声を出さずに泣いた。 そして、 リビングにいる ケント達に聞こえないように小さな声で言った言葉。 『…真奈が…追い詰めた……。真奈が…殺した…。』 真奈は、左手で声がもれないように口をおさえ、 右手で太ももを打ち付ける。 力強く歯を食いしばり、 力強い拳で。