大切なもの…〜cherry tree〜

 


家に着くと、
3人はリビングのソファに腰掛け、


「真奈行けるんか?無理やったらおってもええねんで」


達也君は、
少し心配そうな顔をしている。


真奈は少し間をおいて、


『…行く』


と答えた。


お通夜までの時間は長く、頭の中は店の中にいた時のように、
いろんな言葉でいっぱいになる。


『ちょっと…お風呂入ってくる』


真奈は、
部屋のクローゼットから着替えを取り出し、
脱衣所へ向かった。


お風呂に入りたかった
訳じゃない。


ただ、
1人になりたかっただけ。