真奈とケントは喪服を持っていなかったので、
近くの店で買う事にした。
車の中は静か。
店に入ると3人は、バラバラに行動した。
真奈は喪服を選ぶ時、
デザインや質等に目をやる事はなく、
自分にあうサイズを見つけるとすぐに会計をしに移動した。
まだ剛君の事を
受け入れる事ができないから。
これは夢。
また達也君の悪戯。
この2つの言葉で、
真奈の頭の中を紛らわせていた。
でも、
会計を済ませて紙袋に入れられた真っ黒の服を見ると、
現実に引き戻される。
それでも、
紙袋から目をそらし、
現実から遠ざかろうとした。

