大切なもの…〜cherry tree〜

 


達也君が持っていた荷物。


それは、1つの鞄とカバーをかけられた服。


「どないしたん?」


ケントが聞くと、
達也君は


「おまえら喪服あるか?」


と聞き返した。


達也君の言葉に真奈とケントは、
声が出ず黙っていると達也君が話出した。


「昨日の夜…剛が飛び降りた。」


この言葉に真奈はその場に崩れ落ち、
ケントは俯いて何も言わない。


「お通夜6時からやから」


それから約2時間。

誰も言葉を交わさなかった。