朝。
梅雨の季節に入り、
外は朝から雨の音を響かせている。
時計を見ると、まだ午前6時。
ケントがリビングのソファで寝ているので、
真奈は1人、部屋で絵を書いていた。
持っていたペンをテーブルに置き、
『できた!』
両手を伸ばし、
紙を顔の正面へ持ち上げて言う。
真奈が紙に書いたのは、皆の似顔絵。
紙を眺めながら、
『絵心ないなー』
独り言を言う。
紙の真ん中に大きく絆と書き、
その文字を囲むように
ケント、達也君、剛君、優子の
似顔絵を書いた。
皆…
強い絆で繋がってると思ったのに…
そう思ってたのは…
真奈だけだったのかな…?

