大切なもの…〜cherry tree〜

 

剛君は、


「ごめん…ごめん…」


と謝り続ける。


真奈は、


『もういいで』


と剛君に言い優子の前に立った。


優子は、真奈を睨んだまま。

『なんか言う事あるやろ?』


「なにを言ってほしい?」


優子は立ち上がり、
履いていたミユールを手に取り
真奈の頬を殴った。


左の頬からは、
生暖かい物が流れ出し
指で触れると
指先が真っ赤に染まった。


傷口から出た真っ赤な血は、
頬を流れなかなか止まらない。


真奈はそのまま優子の頬を、
軽く叩いた。