真奈は必死に剛君の腕から離れようと暴れた。 剛君の力が一瞬緩み、 そのすきに真奈は剛君の腕から離れ走り出した。 桜並木から出ると 一台のワゴン車が 桜並木の入口を塞いでいる。 後ろを振り返ると 剛君が歩いて こっちに向かっていて、 真奈はしかたなく 車の横を一気に走り抜ける事にした。 ーガラッ 後部座席の横を通り過ぎようとした瞬間、 ドアが開いて 真奈は中から出てきた 一本の腕に捕まった。 勢いよく引かれた腕は、 真奈の体を浮かせ そのまま車の中へ引き込ませた。