大切なもの…〜cherry tree〜

 


『今から帰るな』


ケントに言って、電話を切った。


「起きとった?」


『うん』


真奈は剛君に携帯を返し、立ち上がった。


剛君がなかなか立ち上がらないので、


『帰らへんの?』


と聞いた瞬間
剛君は真奈の腕を力強く掴んだ。


「姐御…ごめん!!」


剛君は謝ったあと、
誰かに電話をかけすぐに切った。


何故剛君が謝ったのか、
誰に電話をかけたのかは、わからないけど


このまま
ここに居てはいけない事はわかった。