大切なもの…〜cherry tree〜

 


『優子、卒業前から実家におるって』


「そんな嘘をつくって事はなんかあったんかな?」


真奈は立ち上がり、
冷蔵庫から缶ビールを2本出してケントに渡した。


『達也君には黙っとこな』

真奈はそう言って、
ビールを一口飲みキッチンへ向かった。


冷蔵庫にある物で
夕食を作ろうと思い、
鼻歌を唄いながらビールを口に含む。


出来た料理をテーブルに並べ、

『今日はこんなんしか作れんけど』


ケントとご飯を食べ始めた。