大切なもの…〜cherry tree〜

 


ケントが言った言葉を、
そのまま優子にも言った。


『この花束1つずつ先生に渡してこいやって』


真奈と優子は先生のもとに走り、
花束を渡した。


「ええんか?」


真奈達は頷き、
先生と一緒に桜をバックにして写真を撮った。


生徒が玄関前に集まりだし、
それぞれ写真を撮ったり
花を貰ったりしている。


「真奈と優子が1番目立つな。花束が。」


達也君はまわりを見て言った。


皆が持っている花は、一輪の小さな花。


真奈達は、何十倍の花束。


『目立って当たり前や』


真奈が言うと達也君は、


「ええ卒業式やったな。ちょっと感動した。」


と言った。