真奈達が座ると、保護者のざわつく声。 そんな事も気にせず、先生は式を始めた。 「ええ見せもんやな」 優子の言葉に、真奈は黙って頷いた。 1人ずつ名前を呼ばれ、 卒業証書を貰っている。 2つしかないクラスに真奈達の名前は無く、 真奈と優子以外の皆は、 卒業証書を受け取った。 2人の担任の先生と校長先生が歩きだし、 真奈達は名前を呼ばれなかった。 「腹立つ…」 優子が言い終る前に真奈は優子の腕を 掴んで前を見た。