大切なもの…〜cherry tree〜

 


椅子を投げようとした瞬間、
廊下を歩くある人を見て手が止まった。


椅子を持ち上げたままその人を目だけで追うと、
教室のドアの前で足音が止まり、ドアが開いた。


「面白い事しとるやん。まぜてよ」


目の前には、
久しぶりに見る優子の姿。


突然現れた優子の姿に驚き、
真奈は椅子を持つ手を下ろした。


「なによ。化けもんでも見たような顔して」


『化けもんはあんたや。』


久しぶり交わす言葉は、
はたから見ればおかしいかもしれないけど
真奈と優子には、普通の会話。


皆が体育館に移動をし始めたので、
真奈と優子も話ながら移動した。