大切なもの…〜cherry tree〜

 

ルーズを脱ぎ、
白のソックスに履き変えて
学校指定の鞄を肩にかけ部屋を出た。


真奈の姿を見て、3人は声を揃えて


「「「その方が似合う」」」


と笑って言った。


『最後くらいちゃんとせなな』


真奈達は家を出てケントの車に乗り込み、
学校へ向かって走り出した。


小さな川沿いに並ぶ沢山の桜は、
花びらを散らし風にのって飛んで行く。


学校に着き、
真奈は教室へ向かった。


教室に入ると、
皆の視線は真奈に向けられヒソヒソと聞こえる話し声。


真奈は近くにあった
椅子を持ち上げ、強く睨んだ。