大切なもの…〜cherry tree〜

 


卒業式当日。


家の中は、
朝からバタバタして騒がしい。


真奈は、化粧をして
髪の毛をセットした。


「お前中学生に見えんな」


達也君と剛君が家に入り、真奈を見て言った。


剛君は、

「姐御はやっぱり黒の着物やろ」


『喧嘩売っとんの?』


真奈はルーズをはきながら
剛君にタバコの箱を投げた。


「はよ行かな卒業式出れんで!!」


ケントに言われ、
時計を見ると式が始まる20分前になっていた。


『げっ!!』


真奈は慌てて制服に袖を通し、
鏡に写る自分の姿を見た。