ケントは、
自分の部屋へ行き
車の鍵と財布を持ち
「カメラとアルバム買って来る!!」
と言って
勢いよく飛び出して行った。
『そんなに急がんでも店は逃げんのに』
真奈は独り言を言い、
微笑んだ。
クローゼットから
新しい日記帳を出した。
表紙は真っ白で
鍵は付いていない。
表紙を開き、
1ページ目に
タイトルを書いた。
【ケントと共に】
これからは、
この新しい日記に
ケントと共に生きていく証を
記していく。
前のように
悲しい出来事じゃなく、
一日を生きた証として。
楽しい事や喜びを
書いて
幸せ溢れる日記にしたい。
おじいさん
おはあさんになって、
この日記を読み返し
【こんな事もあったね】
と
笑顔になれるように。

