クリーニングから戻ってきた 制服はビニールがかけられ、 学生鞄と共に壁に並んでいた。 開けっ放しの部屋のドアから見える 制服を見ながら真奈は言った。 『時間は一歩ずつ大人に近づいて行くのに、真奈はまだまだ子供で…卒業したらいろんなものが真奈にのしかかってくるような気がして怖くなる』 卒業式が近づき、 真奈の心は不安で憂鬱になっていた。 「それは、卒業だけじゃなくて何かを始める時も成人になる時も一緒やと思うで」 とケントが言った。