大切なもの…〜cherry tree〜

 

ケントは、
達也君に電話をして事情を話した。


少し前と同じように。


車の中は温かく、心地よくて眠くなる。


眠らないように
頑張って目を開けていたけど、
いつの間にか眠りについていた。


『…さむっ!』


急に冷たい風が真奈の体を冷やし、
一気に目が覚めた。


辺りを見渡すと、
達也君の家の駐車場に着いていた。


運転席を見るとケントの姿はない。


後部座席には、大きな鞄が2つ。


真奈は車からおり、
達也君の家に向かった。


中に入ると、
優子の姿はなく剛君がいた。


『優子は?』


達也君に聞くと、


「最近帰ってこんで」


と返事が帰ってきた。