大切なもの…〜cherry tree〜

 


真奈はテーブルに
二つのお茶碗を並べニヤケながら眺めた。


『夫婦茶碗みたい』


「気に入った?」


『うん!!』


ケントは真奈の横に座り、タバコに火をつけた。


煙で輪を作り遊んでる。


外は日が沈んで、
夜の冷たい風が葉を揺らす。


『引越は?』


真奈は、一緒に住むか気になってた。


「ここに住んでもいいん?」

『ケントの部屋用意しとるで』


真奈は物置を指さして言うと、


「早く荷物取りに行こ!!」


とケントが言い、上着を羽織った。


『別に今日じゃなくても』

「今すぐ一緒に住みたいの!」


小さな子供のように言う。


真奈も上着を羽織り、
ケントと手を繋いで家を出た。