大切なもの…〜cherry tree〜

 


ケントの方を向き、


『真奈の事好きになってくれてありがとう』


と笑って言うと

ケントは、


「生きててくれてありがとう」


と言った。


初めて言われた言葉。


1度止まった涙がまた流れ始めた。


母親に言ってもらえなかった言葉。


母親にとって、
真奈は邪魔な存在でしかなかった。


『生きてて…よかった…』

初めて心からそう思えた。


ケントは真奈を抱き上げ、クルクルと回す。


2人の顔は笑顔で、
真奈の涙も止まっていた。


回した体を止め、
涙で濡れた真奈の頬をケントは優しく拭いた。



本当に、生きててよかった。


もう二度と、命を粗末にしない。