大切なもの…〜cherry tree〜

 

いろんな事を思い出し、
考えてると夜が明け始めた。


真奈は立ち上がり、家の裏へと歩いた。


1つのベランダを見ると、
物干し竿やハンガーは無くなり、
リビングのカーテンも綺麗に無くなっていた。


『もう誰もおらへんのや…』


真奈はゆっくり歩き出し、
家に向かった。


ケントが真奈を待つのは、ありえない。


でも、
もしかしたらと思い
今まで時間を潰していた。


寒さで体が丸くなり、
歩くペースも遅くなる。


家に着くと、
空はもう明るかった。