「暗闇の中に一本の桜の木があって、その木の前に
小さい女の子が座り込んで泣いとった」
この話しを聞いて、
真奈とケントは顔を見合わせた。
ケントは達也君が話しを続ける前に言った。
「その小さい女の子は真奈で、達君は真奈を後ろから抱きしめた」
「何で知っとん!?」
達也君は驚いた顔をして言った。
ケントは話しを続けた。
「真奈も同じ夢を見たから」
「どこまで見た?」
達也君は、真奈に聞いた。
『最近出てくる人がころころ変わるんやけど、
おばあちゃんが出てきたり光の中の二つの影をを見たり…』
話しを聞いていた優子は、
窓からこちらへ視線を変えた。

