大切なもの…〜cherry tree〜

 


『口は動いとるのに、声が聞こえんねん。
おばあちゃんが消えて、
光が見えたから光の方に歩いたら
光の中に2つの影が見えた。でも、ええとこで目が覚めてもた。』


静かに聞いていたケントが口を開いた。


「おばあちゃん、真奈になんか伝えたかったんやろな」


『そうなんかな?』


真奈は、立ち上がりカーテンを開けた。


『てか、優子は?』


「相変わらず、達君と毎日喧嘩しとる」


ケントは、タバコに火を付けて言った。


『毎日何が原因で喧嘩しよん?』


「なんか寝言で他の女の
名前を言うみたいやで」


『達也君最低!』


真奈は、ずっと気になってた事をケントに聞いた。