大切なもの…〜cherry tree〜

 


「真奈…」


真奈を呼ぶ声。


抱きしめる手を振り払い、
真奈は立ち上がった。


でも、
振り向いて相手の顔を見る勇気はない。


流れる涙を拭き、前に歩きだした。


行き先はわからない。


それでも、真奈は歩き続ける。


『…!!』


真奈は誰かに
後から腕を引っ張られた。


振り向こうとした瞬間、
目を覚ました。


涙が流れ、枕を濡らす。


『誰やったんやろ…?』


ベットから出て、リビングに向かう。


変な夢を見たせいか、少し体が重い。