大切なもの…〜cherry tree〜

 



真奈はケントに手の平サイズの小さな紙袋を渡した。


「何?」


『プレゼント!』


ケントは紙袋を開け、中身を取り出した。


「…いいん!?」


真奈は笑顔で頷いた。


「真奈ちゃん大好き!!」


ケントは、小さな子供のように真奈に抱き着いた。


紙袋の中身は、合い鍵。


ケントは軽くキスをした後、
真奈を持ち上げグルグルまわした。


『こわい!!』


回転が止まり、また抱きしめた。


ここで、
2人の時間を邪魔するように、
ケントの電話が鳴った。


「…達君からや」


ケントは達也君の事を達君と呼ぶ。