『ヤキモチ?』 ケントは、真奈から手を離し、 「そうや!ヤキモチや!」 『そんな怒らんでも…』 真奈は窓の外を見た。 雲と雲の間から、太陽が顔を出す。 青い空には、眩しい太陽。 緑一面の芝に、一輪の花。 春を感じた。 『てか、どこに行くん?』 「買い物」 『何を買うん?』 「秘密」 秘密って… 行き先のわからない真奈は、 また窓の外を見た。 大好きな春の景色。 窓から目を離し、ケントの横顔を見ると、 「なんか照れる…」 ケントは片手で顔を隠した。