大切なもの…〜cherry tree〜

 


朝6時。


ーブー…ブー…


真奈の携帯が鳴る。


画面を見ると、優子からだ。


『はい?…了解』


用件だけで切る。


「もう帰ってくるん?」


『うん。今家出たって』


幸せの時間が終わるような…


淋しく思えた…


ケントは真奈に服を着せ、
最後の一枚を着せた後
チュッと軽くキスをした。


真奈は不安が消えたように笑った。


2人でリビングに行き、
真奈は朝ごはんの用意をした。


ご飯を炊き、
味噌汁、
卵焼き、
鮭を焼いて
ケントの前に出すと、
嬉しそうに食べてくれた。