大切なもの…〜cherry tree〜

 



「優子ちゃんなんて?」


ケントはゲームをしながら聞いた。


『達也君の家お泊りやって』


と真奈は、
タバコの煙りを吐きながら言う。


ケントはベットの上に座り、
ゲームに集中して喋らない。


ケントの後ろ姿を見て、
真奈はケントの体を後から抱きしめた。


『なんかケントが後から抱き着く訳わかる』


「落ち着くやろ?」


『うん』


温かくて、広い背中。


目を閉じると、
眠ってしまいそう…


『眠い…』


真奈が言うとケントは、
真奈の体から離れ
ゲームを消して電気を消した。