大切なもの…〜cherry tree〜

 


「遅い!!」


いきなりケントが叫びだした。


真奈はケントの横に座り、


『どないしたん?』


「遅すぎん?」


真奈は時計を見ながら言った。


『もうすぐ1時間やな』


お風呂場から聞こえる賑やかな笑い声。


真奈は、ケントにもたれかかった。


真奈の頭を優しく撫でる
ケント。


『幸せって思う気持ちが毎回大きくなる』


「幸せって何かわかってきた?」


『んーたぶん』


真奈は、ケントのホッペにキスをした。


その瞬間、
ケントは真奈を抱きしめた。


「せっかく我慢しとるのに」

『我慢?』