──ぁ...





「ん...。」





─ゃあ....っ





「う...うあっ...!」









にゃあーっ!!





ガバッ





「何故に猫ーっ!?」







こちらが聞きたい。






─あ、夢か...。
私いつの間に寝て.....





というか、あれ?






「総、司さん...と、子供達?」





さくらの深紅の瞳が捉えたのは、茂みの向こうで子供達と話している総司、更に何かは分からないが子供達の後ろで転がっている赤い物体だった。






ドクン...






─何してるんだろう。
『あれ』は一体.....?





最初は総司がいることにただ驚いていたさくらだが、赤い物体が微かに上下していることと、子供好きな総司が子供を前にしているにも関わらず僅かに顔をしかめているのを見て、嫌な予感を感じざるを得なかった。




さくらが心配そうな面持ちでそうっと茂みの側に近付くにつれて、その会話の音量は上がっていく。



内容が聞こえる位置まで来ると、そっと覗き込みながら聞き耳を立てるさくら。






「何故こんなことを....。
この子、死にかけていますよ。」





そう言って赤い物体をそっと抱き上げた総司。




その腕の中に収まっているのは小さな小さな子猫だった。





「う、うるさいっ!
お前にそんなこと言われたくないね!!」




「そうだそうだっ!!」



「お、おいら達は悪くないぞ!」





真ん中の大柄な男の子を筆頭に反抗的な態度をとる子供達。




更に、周りが味方に付いたことで勢いづいた真ん中の子が、あまりに残酷な言葉を落とした。






「お前だって人を殺してるじゃないか!!」






さくらは咄嗟に手で口を抑えた。




やめて、と零れそうになるのを堪える為に。