今まで琉生が私以外にあんな笑顔を見せる事なんて無かった。
それもなんでよりによって紗耶香ちゃん。
お陰で周りの女子も琉生に積極的に話しかけるようになった。
元々琉生は拒否をしていた訳じゃないし、只単におなごさん達が勝手に緊張して喋り掛けづらかっただけなので、今となっては、あーもういいや説明だる。
とにかく、現状は私にとってとてもつまらない物となっている。
――……もういいや…
先かーえろ…――
ほら、私がどんどん離れていくよ?
早く呼び止めてよ。
何時までそうしているつもり?
私に気付いて。
追い掛けて。
手を取って。
でも、
立ち止まり、
振り返ってみても、
まだ、そこにいるんだね。
「 」
―――ばか―――

