「佑耶さん!轟木くん!」
と、そこでまさかのご本人登場。
最近やけにこちらに絡んでくる彼女。
あ、今思えば転校初日から絡んできてたわ。
廊下にいる私達に、教室の中から、
「また明日!」
と手をぶんぶん振ってくる。
周りにいる人に手が当たりそうなのだが…。
私も上辺だけの笑顔を浮かべて手を振り返す。
「あ、そうだ。ゆうちょっと待ってて」
「え?」
挨拶も終わりいよいよ歩を進めようとした時、琉生がふと呟き紗耶香ちゃんの所に駆け寄った。
私の返事も待たないまま。
…何の話をしてるんだろう。
琉生が紗耶香ちゃんに何か渡して、紗耶香ちゃんが笑顔でそれを受け取り、…と思えばそれを床に思いっきり落としてさらにはそれを拾おうとしたら教壇のとこの段差に額を激突。
…そしてそれを見た琉生が爆笑して、そんな琉生を見て紗耶香ちゃんも吹き出すという。
……うん、イライラMAX。

