「そんなの…」


“いいよ”


…っていいたいとこだけど、転校初日から私とあまり居ない方がいい。

それこそ友達ができなくなるかもしれない。

何も分からない初めて訪れた場所で孤独なのは酷すぎる。


だから、可哀想だけど他の誰かと――
「いいよ」


…ん?


「ちょっ!!何言ってんの琉生!?」

「お前こそ何言ってんだよ」

琉生がチラリと紗耶香ちゃんの方を向き、私もそれを追いかける。

と、その時彼女が見せていた表情は、あまりにも…辛い…。


「…ごめ…、そうだよね、いきなりこんな事言われてもだよね…」

「違っ…」


罪悪感。

私の勝手な判断で彼女を傷つけしまった。

でも、それでも私と一緒に居るのは絶対に彼女を不幸にする。


「……ごめ…ん」


俯き、小さく呟いた。

元々女の子の友達が居ないから、こういう時の対処が下手くそなんだ。

まともに彼女の顔を見ることも出来ない。


「私こそごめん!!あのっ、じゃあまた今度誘っても良いかな!?」

「…うん」

「あ、じゃあもう教室にも着いたし、先に中に入るね!!」