「白石!村上についててやれよ。初めてで緊張してもおかしくないんだからな。」
顧問にさんざん言われてるライ。
ライとは白石のこと。
真ん中とってライなんだって。
先輩が言ってた。
彼が走ってくる。
「由那、よろしくな。俺は出れないけど、中学からやってるから。」
彼の顔がひきつってるのが分かる。
「ライが緊張してどうするの?」
あたしと2人して笑った。
緊張ほぐれたかな。
去年のコンクールもやってた。
あたしも緊張してて、でも、1年の緊張はこっちにまで伝わってきた。
『もう、あんたたちがそんなに緊張してたらソロがあるあたしの緊張ってどうなるのよ?練習どおりやればいいんだから。』
こんなことを言ったんだっけ。