由那が差し出した紙。


その紙には、文字には、見覚えがある。


部活中、何度ももらった。


雑音だらけの音楽室。


人の声なんて聞こえない。


いつも部長がまわしてくる。


でも、それだけで部長だと決め付けるのは…


いつか、由那が言ってた。


「仲間を信じれない人は最低」


だと。


今、あたしと部長は仲間。


共に吹奏楽部の仲間。


でも由那はきっとそれ以上。